イエネコの祖先はイヌの祖先と一緒だったという事実。

イエネコの祖先は?

国内で飼われているイエネコ(家猫)1000万匹程度と推定されますが、なんと世界中での飼い猫の総数は6億匹ほど出そうです。近年、国内の飼い犬の数よりも多く飼われ、人気となりましたが、今回はそんなイエネコのルーツを簡単にご紹介いたします。

6500万年ほど前に生息した食肉目に属するミアキスという小型捕食動物が、イヌやネコ、アシカなどをの祖先と言われています。体長は20cmほどで、イタチ科のテンのような形をしており、樹木の上に住んでいたと言われています。イヌもネコも、実は祖先が一緒で、同じネコ目だったとういことは驚きです。その後、イヌ科(ネコ目犬科)は草原で、ネコ科(ネコ目ネコ科)は森林に生息域を分けて分科していったと考えられています。

ミアキス (Miacis) :肉食目ミアキス科

現在、イエネコ (家猫) の直接の祖先を正確に特定することは、難しいと言われています。彼らの生息地が森林で、亡くなっても化石として残りにくいことが原因です。数少ない手がかりを元にすれば、ここ1000万年ほど前に現れたと言われています。ネコ科に属するオオヤマネコ、ピューマ、ライオン、ヨーロッパヤマネコなどがこの前後に化石として発見されており、ヨーロッパヤマネコの亜種であるリビアヤマネコが、現在のイエネコの祖先として有力です。人懐っこいため人間に飼われるようになり、一万年前に農耕を始めた人類の側には、すでにリビアヤマネコ(食肉目ネコ科ネコ属)がいた証拠(キプロスの遺跡から人間とリビアヤマネコと推定される骨が一緒に出土)が見つかっています。

このリビアヤマネコは学名:Felis silvestris lybicaと呼ばれており、英語で「African Wildcat」と言います。

Affrican wildcat @wikipedia

ミアキスから分科後、オーストラリアと南極を除くすべての大陸に瞬く間に生息域を伸ばしていきました。そして、現在では下記のような多種多様なネコ科の動物たちが世界中で生息しています。

ミアキスから分科後、オーストラリアと南極を除くすべての大陸に瞬く間に生息域を伸ばしていきました。そして、現在では下記のような多種多様なネコ科の動物たちが世界中で生息しています。

Mac OSXのバージョンもこれだけいればまだまま進化を遂げていたかもしれません。

ネコ科の動物生息域
チータアフリカ大陸
ライオンアフリカ大陸
ヒョウ不定
トラアジア
ジャガーメキシコ周辺
ウンピョウインドシナ周辺
ピューマ北アメリカ〜南アメリカ
アムールヒョウシベリア
世界に拡散したネコ科の動物

ハンターとしてのネコ科

食肉目に相当する動物は他にもいましたが、中でも派生したネコ科は完全に肉食系に特化した動物でした。現在のネコ科もそうですが、草食動物と違い、捕食のために犬歯と列肉歯が特に発達しています。

また、爪も重要で移動の際に削れないように狩をする以外使わないときには格納されおり、獲物を前に足音もなく忍び寄る能力も兼ね備えていました。

彼らの捕食動物として優れた能力の1つが、筋肉質でありながら柔軟性に富んだ体にあります。とくに背骨が柔軟で、急な体勢の変化にも瞬時に対応できます。現代のイエネコも逆さに落とすと必ず足で着地できる反転能力からも納得できるかと思われます。さらに、体全体を使ったバネのような反り返りの反動により高速で移動が可能であり、瞬発力が特徴です。その分、犬などと比べて持久力がありません。中でもチーターはネコ科最足の速さで有名ですね。 3秒で瞬間時速100 ㎞に達し、スポーツカーを上回る加速力を持ちますが、持久力はなく200mほどで失速します。 このため、狩に失敗することもあるようです。

ネコ科は夜行性で夜目が効き、狩も夜行います。これは、人間が見える限界の光の量のさらに6分の1の量でも十分見える能力を持っているためです。一方で、昼間に十分な光がある状態でも目を痛めることはないのは、猫がもつ瞳孔の伸縮性によるものです。昼間は、伸縮性に富んだ瞳孔は細い線のようになりますが、一転、夜には光を集めるために目の大きさと同じぐらいになります。

さらに、犬には劣りますが、人間の30倍に相当する嗅覚レーダーのような耳を利用して、ネズミなどの小動物を捕獲します。また、ネコ科のヒゲは敏感で、神経と繋がっており感覚器官として優れていると言われています。ヒゲの先が物に触れることで距離感や食べられる物かどうかを判断していると考えられています。

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